- 弁護士 田中克幸
不貞慰謝料の相場は?
最近の不貞慰謝料の相場は150万円から200万円程度です。
それ以上の裁判例も見られますが、300万円は例外と考えて良いでしょう。
実際、不貞が発覚したときに請求される金額は、150万円から500万円が多いようです。
当事者同士で合意すれば、300万円でも500万円でも有効なので、ダメ元で請求する人が多いのでしょう。
※1000万円とか2000万円という金額だと、公序良俗違反で無効になる可能性があります。
では、実際に、話し合いで和解するとすれば、どの程度が妥当なのでしょうか。
次のような条件が関係してきます。
【条件1】求償権を放棄するか
不貞は共同不法行為なので、不貞相手と連帯して責任を負います。
したがって、一人で全額を支払った場合には、半額程度は不貞相手に負担を求めることができるのです。
そこで、求償権を放棄する代わりに、相場の半額程度で示談するのは合理的といえるでしょう。
【条件2】離婚するか
離婚しない場合、裁判所の慰謝料額は下がると言われています。
そこで、離婚しないことを理由に減額を求めていく交渉方法があります。
ただし、不貞発覚から数か月で離婚していないからといって、裁判所が「離婚しない」と認めるわけではありません。特に、子供がいる場合には、すぐに離婚できないのは当然ですから、離婚の危機という当事者の主張だけで、離婚を前提とした慰謝料が認められてしまう可能性があります。
【条件3】ダブル不倫か
ダブル不倫の場合で、双方が離婚しない場合、片方の世帯世帯だけが慰謝料を払うのは不合理でしょう。
その場合、4者間で話し合って、慰謝料は払わないというゼロ和解をする場合があります。
いずれにしても、当事者同士で上記のような理屈による話し合いをすることは困難です。
お互いが感情的になり、減額を求めること自体が反省していないと受け止められかねません。
理性的な交渉は、弁護士にお任せください。
